映画『典座』淡味の意味は…?
こんにちは。10月にはいりましたね。木曜日を担当している咲那です。
きょうは、一つの映画をご紹介したいと思います。
『典座 -TENZO-』です。
製作は全国曹洞宗青年会。
明日、10月4日から吉祥寺と渋谷のアップリンクで公開されます。
29日の日曜日に先行上映があり、観てきました。
全国公開前なので、内容の詳細をお伝えする、いわゆるネタバレは避けたいと思っています。
パンフレットに書かれていることをお伝えしながら、わたしの心に響いたことに少し触れてみたいと思います。
映画は、対照的な現状におかれているお二人の僧侶を軸に話が進んでいきます。
山梨で家族も継ぐべきお寺もあり檀家さんもいらっしゃる智賢さんと、一方、東北地方太平洋沖地震後、福島で智賢さんに有るものが無い隆行さん。今は、衣も脱ぎ、瓦礫撤去の作業員です。
このお二人が、自分のおかれた状況に悩みながら僧侶として一つの答え、境地に至るんですね。
私の個人的感想になりますが、隆行さん
のありようにすごく心が動きました。
それがフィクションであっても。
たとえ、衣を着ていなくても、作業着で瓦礫を撤去していても、その行いは僧侶であり仏さまの道を歩いている。
しかし、そんな彼が僧侶の衣をまとうときがあります。仮設住宅に住むご高齢の檀家さんを訪ねるとき。
その理由は…思いやり、からなのではないでしょうか。
一方、智賢さんも青山俊董老師を訪ね、また曹洞宗の開祖道元禅師をたどる旅に出てある境地に至り、福島へ兄弟子である隆行さんを訪ねます。
他は是れ吾にあらず
更に何れの時をか待たん
典座教訓より
状況の違う御二人が、一つの答えにたどり着くシーンでした。
このシーンが良いんです。
このあと、隆行さんが一歩前に進めるのですが、そのシーンに涙してしまいます…。
もう一つ、智賢さんに大きなヒントを下さった、青山老師の言葉も心に残りました。
お寺で、精進料理教室やヨガ座禅会をしていると青山老師にお伝えした智賢さんに、すかさずご老師が、精進料理について狭義にとらえないよう、助言なさいます。
その意味を知りたい方は、ぜひとも映画を観てくださいね。
劇中に青山老師がとても大切なことを仰っているのですが、その時、右左口竹の会の演奏をバックに般若心経が流れるのですが、それがまぁ迫力があります。
この右左口竹の会は、竹で楽器を手作りしているそうです。個人的には、ディジュリドゥみたいな楽器の、その音が好きです。
最後になりましたが、ブログタイトルの、淡味の意味は、道元禅師いわく、素材そのものの味。その味を引き出すこと。
人も同じですね。
私達自身の良さをひきだして生きること
先行上映の時に、智賢さんが上映後、
解説をしてくださいました。
どうぞ今日もよき1日をお過ごしくださいね
長岡咲那
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